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2006年 12月 20日

若い人にこそ青島さんのことを知ってほしい

今日はいろんなことがありました。

亀田興毅が初防衛に成功し、
岸田今日子とカンニングの中島と
青島幸男が死んだ。

へこむわ。
いや、亀田のことは良かったんだろうけどさ。

岸田今日子といえば
「あ・うん」の門倉の妻役だ。
いや、まぁ他にもいっぱい代表作はあるけれども。

カンニング中島はーーー可哀想だ。
イヌ山はほぼ同世代。
「売れない芸人」というとんでもなく大変な時間を越えて
これからという時だったろうし。
相方のメガネも可哀想だ。
友達を早くに亡くすというのは
人生の拷問に等しい。



さて本題。

青島幸男という人は
イヌ山が育った周辺ではいつからか「青島さん」だった。f0030125_23521790.jpgごく近い親族の一人が、
青島さんの政見放送の手伝いをし、
後に、青島さんに仲人もお願いした。
そんな関係から
高校生だったイヌ山は、胸を高鳴らせながら
気さくな青島さんの声を電話口で聞き、
結婚式では大学合格の報告をドキドキしながらした。
まるでおらが村の名士を見つめる空気の中、
政治家というよりは
板を離れたコメディアンのようで
静かで言葉少なな姿が印象的だった。

都知事になり、都市博中止を宣言した後の
酷評の嵐は辛かった。
事実、これといった仕事がまるで聞こえてこなかった。
もっとも、彼の派手なイメージが
地味な仕事の達成を打ち消してしまっていたことはあるのだけど。
それから皆忘れているけど、
青島さん宛に爆弾が送り付けられて
開封した秘書の片手の指が吹っ飛んだ、
そんな事件もあった。

ときに、
青島さんは、現在の政見放送が始まるきっかけとなった
提言をしたことで知られる。
(wikipediaにだって書いてある。えらいなwikiって)
先述の’80年代の政見放送で「政治方針は?」との問いに
「もう自民党がやろうとすることに全部反対。コレです」
と言っていたけれども、確かに昔の参議院はそんなんで良かった。
ただ、都の首長をやるには
やっぱりイメージが具体的でなかったかもしれない。
実際、周りのブレーンも
参議院時代からさして代わり映えのしない面々だったようだ。

ただ、ひとつ言えることがある。
有権者の気まぐれで、一回こっきり首長を変えてみたところで
実は何も変わらないということ。

最近では長野県がそうだ。
田中康夫が破れた途端、
長らく途絶えていた陳情詣でが一気にまた始まった。

議会にほとんど味方がいない状況に
変わり種の首長が一人放り込まれたって
何もできはしないのだ。
何かを止めることはできても
何かを始めることは相当に難しい。
始めたところで、議会与党の激しい反対や妨害に遭い、
まっすぐに道を進むことはできない。
青島さんの場合、
都市博中止を決定にこぎつけた時点から
さらに理想への道がより険しくなったことは想像に難くない。
都知事選で青島さんに一票を投じたという「慎太郎」みたいに
微に入り細をうがった政策を展開したかったのかもしれない。
地方行政に変化を求めるのであれば
首長だけでなく、議会もまるごと変えなくてはならない。
でも、現職議員以外にめぼしい人材がそんなにいるわけでもなく、
実際に議会が総とっかえになったら
今以上に機能不全に陥ることは推して知るべしで、
結局、清濁併せ含む大いなるマンネリに立ち向かおうとした
ドン・キ・ホーテのみが矢面に立たされることになる。

実は、NOと言える男は
風車の背後に立って初めて実現するのだ。

青島さんの足跡を辿るならば
自伝的小説「なんだ!勉強なんて」や
政治家生活を描いた「青島の意地悪議員日記」
丙午生まれの実母のことを書き、直木賞を受賞した
「人間万事塞翁が丙午」あたりを読むといい。
正義感に充ち満ちた、でも悪戯好きのガキ大将という実像が浮かび上がってくる。
そして、言葉を操らせたらやはり天才だったことがわかる。
今年の春に放映されたドラマ
『ザ・ヒットパレード ~芸能界を変えた男・渡辺晋物語〜』も悪くない。
青島幸男役の石黒賢はちっとも似ていなかったけど、
モノづくり草創期の現場で、才気の風をビュービュー吹かせる
「青ちゃん」の姿は痛快で、胸躍るものがある。
(そういう世界に身を置く人、また、そういう世界を目指す人ならば
少なからず興奮を覚えるだろう)

若い人にこそ、
青島さんのことを知って欲しい。
実は、「こういうふうに生きたい」と思える
数少ない先達の一人である。

写真は自主映画『鐘』を出品した際、
カンヌ映画祭で貼られたポスター。
この人、カンヌで入選した映画人でもあった。
最近も、久しぶりの新作を撮る意欲を示していたという。


by gajiroe111 | 2006-12-20 23:28